テキストエディタ選定考

Hironori Nakahra
nD OpenThinking
Published in
5 min readAug 15, 2017

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先日、ある美大の先生から「テキストエディタ、何を使ってますか?」というメッセージをもらいました。

ブラウザ、メーラー、そしてテキストエディタ、悩みますよね。

特に、テキストエディタは思考の断片の蓄積の土壌になるようなツールでもあると思うので、「文字を打てる」以上の何かを求めてしまいます。

まず、大きな選択として、2 択になるかなと思います。

A. Rich Text Format(RTF)的に自由度高く

B. Markdown で簡単に見栄え良く

A. Rich Text Format(RTF)的に自由度高く

Word や Mac 標準の TextEdit 、Evernote、GoogleDocs が該当すると思うのですが、好きな文字サイズ・色・書体を選べ、写真も追加でき、自由度が高く、場合によっては楽しいです。

その反面、コピペ時に(書式をクリアしないと)コピー元の書式を引き継いでしまったり、結果、ゴチャゴチャしてしまったり、考えをまとめることから、見た目を整えることに比重が移ってしまったりと、僕の場合、目的を見失いがちになってしまいます。

Evernote、GoogleDocs 以外のRTF 的な自由度があって、クラウド対応、マルチディバイス、複数人編集が可能なツールを探していたのですが、現時点では巡り会っていません。

大学のころから数年前までは国産の J-edit を愛用していました。置換が本当に強力で扱いやすく、その点を超える(国産の)エディタには僕も出会えていません。

B. Markdown で簡単に見栄え良く

最近、ツールが充実してきているのはこのタイプです。

考えること、書くことに集中でき、文書構造を意識しつつ、思考の断片を積み重ねていって、まとめていく。あるいは、書くだけ書いて未来に託す。こんな使い方ができる、この B がしっくり来ています。

ただ、A に慣れていると、自由度のなさに慣れるのに時間がかかるかも知れません。

ここから具体的にオススメのツールを紹介します。

B-1. Dropbox Paper

Markdown での入力、ToDo のアサイン、YouTube など各種メディアの挿入、クラウドでのマルチディバイス、複数人の編集に対応していて、個人的には GoogleDocs よりも洗練されていて好きです。

そして、Presentation モードもあって、ちょっとしたプレゼンは大丈夫です(この機能だけを比較すると、Evernote のほうがプレゼンの痒いところに手が届いている感じです)。

ただ、オフラインでは使えません。ま、そりゃそうですよね。

B-2. Ulysses

クラウドでマルチディバイス対応、文字を集中して書くのには向いていると思います。いろんなテーマがあったり、自由に作成もできるので、テーマを切り替えて、気分を切り替えて、みたいな使い方もできます。

外部ファイルも扱えるので、いろんなディレクトリーのファイルを扱える点はメリットかなと思います。

ただ、複数人編集、文章中の画像をプレビューで表示できません…。

B-3. Bear

B-2. に加え、画像も表示できます。

ただ、Evernote のような感じで、編集するファイルは Bear のライブラリに自動的にインポートされてしまいます。

現時点では、社内・社外のチームでの共有は Dropbox Paper、個人的な文章作成は Bear という感じで使い分けています。

近く、日本デザインセンターから、書く気分を高めるテキストエディタ「stone」がリリースされるようです。

コンピュータの中では最も原始的なツールであるテキストエディタは

  • 書き心地
  • 管理・共有
  • AI による補正・補完や新しい視座・文脈の提供などの「資産価値を高める機能」

で差別化され、よりユーザ毎にフィットしたものが生まれてくるのではと思います。

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nD inc. Founder, CreativeDirector, AlternativeStartup inc. Co-Founder, giftee inc. Co-Founder & more